反転増幅回路
OPアンプの反転増幅回路
SI接頭辞可(4k7 / 1M / 10m / 220)。大文字M=メガ、小文字m=ミリ
計算履歴
計算式
ゲイン(dB): G[dB] = 20 × log₁₀(Rf / Rs)
※出力は入力に対して逆位相
設計のポイント
OPアンプの反転増幅回路は、センサ信号の増幅・ADCのフルスケール調整・アクティブフィルタなどで広く使われます。抵抗の比だけでゲインが決まるシンプルさが特長です。
設計のポイント:
• 入力インピーダンス = Rs(信号源への影響を考慮して選ぶ)
• ゲインを大きくするほど帯域幅が狭くなる(GB積一定の法則)
• 大きなゲイン誤差が許せない場合は低誤差抵抗(0.1%品)を使う
非反転増幅の場合はゲイン = 1 + Rf/Rs になります。
こんなときに使います
オペアンプの反転増幅回路でゲインを決めるときに使います。抵抗比だけで決まる素直な回路ですが、許容差を入れたときのゲイン誤差と、実際にそのゲインが出せる帯域かどうかの確認が要ります。
ゲインは抵抗比だけで決まる
反転増幅のゲインは −Rf/Rs です。オペアンプ自体の特性はほとんど出てきません。これが反転増幅がよく使われる理由で、抵抗の精度がそのままゲインの精度になります。
出力は入力に対して位相が反転します(符号がマイナス)。この計算機は絶対値を出しているので、実際の出力は逆相であることを忘れないでください。単電源で使う場合は、非反転入力に基準電圧を与えて出力の中心をそこに置きます。
許容差の効き方
ゲインは Rf/Rs なので、2 本の抵抗が逆方向にずれたときが最悪です。両方 ±1% なら、ゲイン誤差は最大でおよそ ±2% になります。分圧回路(誤差 ±1%)より倍効く点に注意してください。
ゲインを大きくとるほど Rf と Rs の比が開き、片方が極端な値になります。ゲイン 100 倍で Rs = 1kΩ なら Rf = 100kΩ。この組み合わせは入力バイアス電流によるオフセットが効いてくる領域です。
確認すべきこと
- ゲイン帯域幅積(GBW)を確認する。オペアンプが出せるゲインと帯域の積は一定です。GBW = 1MHz のオペアンプでゲイン 100 倍を取ると、使える帯域は 10kHz しかありません。必要な帯域 × ゲインが GBW の 1/5 以下に収まるように選んでください。
- 入力インピーダンスは Rs そのもの。反転増幅の入力インピーダンスは Rs です(反転入力が仮想接地になるため)。前段が高インピーダンスなら、Rs を大きくするか非反転増幅かバッファを検討します。
- 非反転入力にもバランス抵抗を入れる。入力バイアス電流によるオフセットを打ち消すため、非反転入力と基準電位の間に Rs と Rf の並列値を入れるのが定石です。ただし入力バイアス電流の小さい CMOS 入力のオペアンプでは、この抵抗が発生するノイズのほうが問題になるので省くこともあります。
- Rf に並列のコンデンサで発振を止める。入力容量と Rs で位相が回って発振することがあります。Rf に数 pF 〜 数十 pF を並列に入れると安定します。同時にローパスにもなるので、帯域とのバランスで決めます。
よくある失敗
- 単電源で GND 基準のまま使う。反転増幅は出力が逆相になるので、単電源で入力が正なら出力は負側に振れようとして飽和します。単電源では非反転入力に Vcc/2 などの基準を与えてください。
- 抵抗値を大きくしすぎる。MΩ 級にすると熱雑音と入力バイアス電流の影響が無視できなくなります。低ノイズが要る回路では、必要なゲインを保ちつつ抵抗値を下げるほうが有利です。
- 出力の振幅範囲を超える。レールツーレール出力でも電源端まで完全には振れません。ゲインを掛けた結果が電源電圧を超えないか、入力の最大値で確認してください。
よくある質問
ゲインが負になるのはなぜですか?
ゲイン 1 倍(Rf = Rs)にする意味はありますか?
dB のゲインはどう読めばいいですか?
高い周波数でゲインが落ちるのはなぜですか?
参考にした規格・資料
- IEC 60747-5 — 半導体デバイス(オペアンプを含む)の特性表記。
最終更新: 2026-08-29