LEDの点灯回路設計
電源、LED、抵抗からなる回路を設計します。 実際の部品は抵抗値やVfにバラツキがあるため、LEDの電流に誤差が生じます。
SI接頭辞可(4k7 / 1M / 10m / 220)。大文字M=メガ、小文字m=ミリ
詳細設定 — 電源電圧MAX・電源電圧min・Vf Max ほか2件
補足情報
- 抵抗の消費電力
- 1.91 mW
- 最悪条件 3.77 mW
- LEDの消費電力
- 1.28 mW
- Vf × I
- 回路全体の消費電力
- 3.19 mW
- Vcc × I
- 抵抗の両端電圧
- 3 V
- Vcc − Vf
最悪条件 3.77 mW → ディレーティング50%なら定格 7.55 mW 以上が必要。チップ抵抗なら 1/16W(1005 / 0402) で足ります。
計算履歴
計算式
必要抵抗: R = (Vcc − Vf) / I_target × 1000 [Ω]
設計のポイント
LEDは電流駆動素子です。電流制限抵抗Rを挿入して適切な電流を流します。抵抗値が小さすぎると過電流でLEDが破損し、大きすぎると輝度が不足します。
設計のポイント:
• 定格電流の目安:一般LEDは 20mA、高輝度・白色は 20〜30mA
• Vf(順方向電圧):赤≈2.0V、緑≈2.1V、青・白≈3.0〜3.5V
• 量産設計では抵抗誤差±5%、Vfのばらつき、電源変動を全て考慮する
• 最大電流が定格を超えないよう最悪条件でも確認しましょう
こんなときに使います
インジケータ LED の電流制限抵抗を決めるときに使います。単に「抵抗値はいくつ」ではなく、電源変動と Vf のばらつきと抵抗の許容差を全部入れたときに、電流が最悪どこまで振れるかを出すのがこの計算機の目的です。量産で LED の明るさがバラつく、あるいは定格を超えて寿命が落ちる、という事故はここを見ていないことが原因です。
LED は電流で明るさが決まる
LED は電圧をかけて光らせる素子ではなく、流れた電流で明るさが決まる素子です。しかも順方向電圧 Vf を少し超えると電流が急激に増えるため、電圧源に直結すると簡単に壊れます。そこで直列に抵抗を入れて電流を制限します。
このとき抵抗にかかる電圧は Vcc − Vf です。Vf は個体差と温度で動くので、Vcc − Vf の差が小さいほどばらつきの影響が相対的に大きくなります。5V 電源で Vf 3.1V の白色 LED を使うと、抵抗にかかるのはわずか 1.9V。Vf が 0.2V ずれるだけで電流は 10% 以上変わります。
色ごとの Vf と定格電流
| 色 | Vf(標準) | Vf のばらつき | 定格電流 | よく使う電流 |
|---|---|---|---|---|
| 赤 | 1.9 〜 2.1 V | ±0.2 V | 20 mA | 2 〜 10 mA |
| 黄・橙 | 2.0 〜 2.2 V | ±0.2 V | 20 mA | 2 〜 10 mA |
| 緑(黄緑) | 2.0 〜 2.2 V | ±0.2 V | 20 mA | 2 〜 10 mA |
| 緑(純緑) | 3.0 〜 3.4 V | ±0.3 V | 20 mA | 5 〜 20 mA |
| 青 | 3.0 〜 3.4 V | ±0.3 V | 20 mA | 5 〜 20 mA |
| 白 | 3.0 〜 3.5 V | ±0.3 V | 20 〜 30 mA | 5 〜 20 mA |
最近のインジケータ用 LED は効率が上がっているので、定格の 20mA を流す必要はほとんどありません。1〜5mA でも十分明るく、むしろ眩しすぎることが多いです。電流を絞れば消費電力も発熱も抵抗の定格も楽になります。
計算例:5V で白色 LED を 10mA 前後で光らせる
- Vcc = 5V、白色 LED の Vf(標準)= 3.1V、狙いの電流を 12mA とする。
- R = (5 − 3.1) / 0.012 = 158Ω。E24 系列で近い 150Ω を選ぶ。
- この計算機に Vcc = 5、Vf = 3.1、R = 150 を入れると標準で 12.67mA。
- 詳細設定で Vcc を ±5%(4.75 〜 5.25V)、Vf を 2.9 〜 3.4V、抵抗許容差を ±5% とすると、電流は 8.57mA 〜 16.49mA まで振れる。
- 最大 16.5mA は定格 20mA の範囲内なので問題なし。ただし最小 8.6mA と最大 16.5mA では明るさが倍近く違う。複数の LED を並べて明るさを揃えたいなら、抵抗を ±1% にするか電流をもっと絞る。
- 抵抗の消費電力は 16.5mA² × 150Ω = 41mW。1608(0603)の 1/10W で足りる。
設計の勘所
- Vcc − Vf を大きくとる。これが大きいほど Vf のばらつきの影響が薄まります。3.3V 電源で Vf 3.1V の白色 LED を光らせようとすると、差がわずか 0.2V しかなく、電流が全く安定しません。この場合は昇圧するか、定電流ドライバを使ってください。
- マイコンのポートで直接駆動するときは吸い込み/吐き出し電流の定格を見る。1 ポートあたり 8mA でも、ポート合計や電源ピン合計の上限が別に決まっていることがほとんどです。LED を何個も直接駆動すると簡単に超えます。
- 並列接続はしない。LED を 2 個並列にして抵抗 1 本で済ませると、Vf の低いほうに電流が偏ります。片方だけ明るくなり、寿命も縮みます。必ず 1 個ずつ抵抗を入れるか、直列にしてください。
- PWM で明るさを変えるなら電流は定格内で。平均電流ではなくピーク電流が定格を超えないようにします。パルス駆動の定格が別に規定されている LED もあります。
よくある質問
抵抗は LED の前と後、どちらに入れますか?
3.3V 電源で白色 LED を使えますか?
複数の LED を直列にする場合はどう計算しますか?
電流を絞ると寿命は延びますか?
抵抗の定格電力はどう選びますか?
参考にした規格・資料
- JIS C 8152 — 照明用 LED の測光。
- IEC 62031 — LED モジュールの安全仕様。
最終更新: 2026-08-29