時計の水晶はなぜ 32.768kHz なのか:1Hz を直接作らない理由
2026-09-15
32768 という半端な数は、2 を 15 回掛けた数です。この周波数を「半分にする」だけの回路に 15 回通すと、ちょうど 1 秒に 1 回のパルスになります。では最初から 1 秒に 1 回振動する水晶を作ればよさそうですが、それができない理由が、この周波数が選ばれた理由そのものです。
計算機のページに入りきらない話をここに置いています。式の背景、部品のばらつき、寄生容量やインダクタンスが実機でどんな症状になって現れるか、設計レビューで実際に問われる判断を、規格書と数字を根拠に書いています。
2026-09-15
32768 という半端な数は、2 を 15 回掛けた数です。この周波数を「半分にする」だけの回路に 15 回通すと、ちょうど 1 秒に 1 回のパルスになります。では最初から 1 秒に 1 回振動する水晶を作ればよさそうですが、それができない理由が、この周波数が選ばれた理由そのものです。
2026-09-14
「50Ωにしたいので線幅を教えてください」という質問には答えられません。線幅は、その線の下にある絶縁層の厚みで決まります。層構成が決まって初めて線幅が決まり、しかもその線幅は基板メーカが最終的に調整します。
2026-09-14
R = (Vcc − Vf) ÷ I は誰でも知っています。問題は Vf が部品ごとに 0.5V 近く違い、電源も抵抗も誤差を持つことです。最悪の組み合わせで電流が何倍になるかを見ておかないと、暗いLEDと焼ける抵抗のどちらかを引きます。
2026-09-14
基板メーカのルールは mm、部品のフットプリントは mil、銅箔厚は oz。同じ図面に3つの単位系が混ざるのが基板設計の日常です。換算そのものは簡単ですが、どこで丸めるかを間違えるとルール違反や部品が載らない基板になります。
2026-09-14
0.1µF を IC の電源ピンに置くのは、コンデンサを置いているのではなく「小さなインダクタ付きのコンデンサ」を置いています。インダクタンスの半分以上は、コンデンサではなくビアと配線が作ります。
2026-09-14
「高周波では電流が表面にしか流れない」は正しいですが、その「高周波」が何 MHz なのかは導体の厚みで決まります。基板の 1oz 銅箔なら 4MHz 前後、電源の巻線なら 100kHz で効き始めます。
2026-09-14
1MHz のクロックでも、ドライバのエッジが 500ps なら 30mm の配線でリンギングが出ます。伝送線路になるかどうかを決めるのは周波数ではなく、エッジが配線を往復する時間との比です。
2026-09-14
「クロックとデータは等長に」と言われて、全部の配線を 0.1mm 単位で揃えている基板を見ます。1mm は 6.5ps です。その信号のタイミング余裕が 5ns なら、100mm ずれても問題ありません。
2026-09-14
4.7kΩ は 5V・100kHz・小さなバスでの経験値です。3.3V の 400kHz で、モジュールを 5 つつないでケーブルを 30cm 伸ばすと、4.7kΩ では立ち上がりが間に合いません。抵抗には下限と上限があり、その両方を計算できます。
2026-09-14
R1 と R2 で分圧すれば電圧は R2/(R1+R2) 倍になる、というのは計算上の話です。実物は抵抗の許容差、後段の入力抵抗、温度、そして ADC のサンプリング容量で、設計値から数 % ずれます。ADC の分解能より大きな誤差を、分圧で作っていないか確認します。
2026-09-14
1A なら 0.3mm、という表を見て電源パターンを引くと、長い配線では電圧降下で困ります。温度上昇で決まる幅と、電圧降下で決まる幅は別の計算で、長い配線ほど後者が支配します。
2026-09-14
効率 92% のバックコンバータで、残りの 6% がどこで熱になっているかを追うと、対策の優先順位が見えます。MOSFET の RDS(on) だけを下げても、損失の半分はスイッチングとインダクタが占めています。
2026-09-14
「6dB 落ちた」と言われて、電圧が半分になったのか電力が 1/4 になったのかを即答できないと、フィルタの計算も EMI の限度値も読み違えます。dB は比を対数で表したもので、電力なら 10 倍、電圧なら 20 倍の係数が付きます。
2026-09-14
0402 の 10µF / 6.3V に 3.3V をかけると、容量は 3µF 前後しか残りません。定格の半分の電圧で、カタログ値の 7 割が消えます。データシートの「10µF」は、電圧をかけていないときの値です。
2026-09-14
1.6kHz の RC フィルタは、100kHz のノイズを 1/60(−36dB)にします。ゼロにはなりません。フィルタは「遮断」ではなく「減衰」で、その量は 1 次なら周波数比で決まります。
2026-09-14
反転増幅回路は仮想接地のおかげで計算が簡単ですが、その仮想接地が「入力インピーダンス = Rin」を意味することを忘れると、センサをつないだ瞬間にゲインが半分になります。
2026-09-14
50pF の負荷は、8mA のドライバで 20ns かけて 3.3V まで充電されます。50MHz で振れば 27mW を消費します。配線容量は「寄生」と呼ばれますが、タイミングと消費電力の両方に、はっきり数字で効きます。
2026-09-14
10000mAh のモバイルバッテリで 3000mAh のスマートフォンを 3 回充電できないのは、詐欺ではなく単位の問題です。10000mAh は 3.7V での値で、5V に変換した時点で 7400mAh になり、変換の損失で 6700mAh に、さらに充電側の損失で 2 回分になります。
2026-09-14
εr = 4.3 と書いてある基板の中身は、εr = 6 のガラス束と εr = 3 の樹脂の織物です。0.5mm ピッチで交互に並ぶそれらの上を、0.15mm の配線が通ります。どこを通るかで速度が変わり、差動ペアの 2 本が違う場所を通ればスキューになります。
2026-09-14
ハムバッカーが「太い」のは魔法ではなく、コイルのインダクタンスが 2 倍になって共振周波数が 1.5kHz 下がるからです。そしてハムが消えるのは、2 つのコイルが外来磁界に対しては逆向き、弦に対しては同じ向きに配線されているからです。どちらも等価回路で数字にできます。
2026-09-14
「不揮発で、書き換えられて、速い」メモリはありません。あるのは、書き換え回数・容量・速度・価格のどれかを捨てたメモリです。何を捨ててよいかは用途で決まるので、用途から逆引きできるように整理します。
2026-09-10
差した瞬間に20Vが出ていたら、5V専用の機器は一発で壊れます。USB PD はそれを避けるために、抵抗だけで決まる段階と、通信してから電圧を動かす段階に分かれています。
2026-09-10
LANケーブルには、PoEに対応していない機器も刺さります。PSE がいきなり48Vを出さないのはそのためで、まず数ボルトで相手を確かめ、次に何ワット要るかを聞いてから、ようやく投入します。
2026-09-07
3PDTを使わずにLED表示を付けられるので、エフェクターの自作でよく使われる回路です。動作は単純ですが、超高インピーダンスのノードを1つ作るので、そのぶん癖もあります。