電力⇒dB

電力比(P1 / P2)をデシベル(dB)に換算します。

電力⇒dBの説明図
P1
P2
デシベル
—dB
計算履歴
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計算式

計算式: dB = 10 × log₁₀(P1 / P2)
※電力の場合は係数が10(電圧は20)

設計のポイント

電力比のdB換算は電圧比と係数が異なります(10×log vs 20×log)。RF回路設計では電力を扱うことが多く、この計算が頻繁に必要になります。

なぜ係数が違うのか:P = V²/R のため、電力は電圧の2乗に比例します。その分log₁₀に掛ける係数が半分になります(20→10)。

こんなときに使います

2 つの電力の比を dB で表すときに使います。送信出力、ケーブル損失、アンテナ利得、アイソレーションなど、高周波の世界では電力基準の dB が標準です。

電力比は 10·log₁₀

dB = 10 × log₁₀(P1 / P2) です。電圧比の 20·log₁₀ と係数が違うので、取り違えると 2 倍ずれます。

高周波の分野では、インピーダンスが 50Ω に統一されていることが多いため、電力で扱うほうが自然です。送信出力(dBm)、ケーブル損失(dB/m)、アンテナ利得(dBi)はすべて電力基準です。

リンクバジェットでの使い方

dB の便利なところは掛け算が足し算になることです。送信から受信までの経路を、すべて dB で書いて足し引きするだけで受信電力が求まります。

920MHz LPWA の例。
項目値累計
送信出力+13 dBm13 dBm
送信ケーブル損失−1 dB12 dBm
送信アンテナ利得+2 dBi14 dBm
自由空間損失(1km)−92 dB−78 dBm
受信アンテナ利得+2 dBi−76 dBm
受信ケーブル損失−1 dB−77 dBm

受信感度が −120dBm のモジュールなら、リンクマージンは 43dB あることになります。実際には建物や地形による損失(フェージング)が加わるので、20〜30dB のマージンを見込むのが一般的です。

覚えておくと速い

  • 3dB = 2倍、10dB = 10倍。電力ではこの 2 つで組み立てられます。
  • 0dBm = 1mW、30dBm = 1W。この 2 点を覚えておけば、あいだは 10dB 刻みで補間できます。
  • マイナスは損失。ケーブル損失、自由空間損失、挿入損失はすべて負の dB です。

よくある質問

dBm と dB の違いは何ですか?
dB は単なる比(無次元)、dBm は 1mW を基準にした絶対的な電力です。dBm 同士を引き算すると dB(比)になり、dBm に dB を足すと dBm(絶対値)になります。この計算の使い分けを間違えると単位がおかしくなります。
自由空間損失はどう計算しますか?
FSPL[dB] = 20·log₁₀(d) + 20·log₁₀(f) + 32.44(d は km、f は MHz)です。920MHz で 1km なら、20·log(1) + 20·log(920) + 32.44 ≈ 0 + 59.3 + 32.44 = 91.7dB になります。周波数が高いほど、距離が遠いほど損失が増えます。
電圧比の dB と混同しないコツはありますか?
対象が電力なら 10·log、電圧なら 20·log と覚えるしかありませんが、「同じ 3dB でも電力なら 2 倍、電圧なら 1.41 倍」という具体例を 1 つ持っておくと確認できます。高周波の仕様書はほぼ電力基準、アンプやフィルタの回路仕様は電圧基準のことが多いです。

参考にした規格・資料

  • IEC 60027-3 — 対数量の定義。
  • ITU-R P.525 — 自由空間伝搬損失の計算。

最終更新: 2026-08-29