オンス(oz)を厚みに変換

プリント基板の銅箔の厚みは、重さの単位オンス(oz)で表されることがあります。 1oz = 約0.035mmです。

オンス(oz)を厚みに変換の説明図
oz
銅箔厚み
0.035mm
計算履歴
入力欄で Enter を押すと、その時点の値がここに残ります。

計算式

銅箔厚み: t[mm] = oz × 0.035
1 oz ≈ 35 µm = 0.035 mm

設計のポイント

PCB製造仕様で「銅箔1oz」とは「1平方フィートあたり1オンスの銅」に相当する厚みで、35µm(0.035mm)に対応します。

一般的な銅箔厚みの選択:
• 0.5oz(18µm):内層・微細パターン
• 1oz(35µm):標準的な表層・一般信号
• 2oz(70µm):大電流配線
• 3oz以上:パワー基板・電源回路

銅箔が厚いほどパターン幅の最小設計値が大きくなります(エッチング精度の制約)。基板メーカの製造能力表を参照してください。

こんなときに使います

基板メーカの仕様や CAD のスタックアップ設定で使う銅箔厚を oz から mm に直すときに使います。電流容量の計算、インピーダンス計算、基板の重量計算のいずれでも、mm での厚みが必要になります。

なぜ重さで厚みを表すのか

「1oz」は1 平方フィートあたり 1 オンスの銅という意味です。厚みではなく面密度で規定されています。銅箔の製造工程が「一定量の銅を一定面積に広げる」という形だったことに由来する、歴史的な単位です。

銅の密度(8.96 g/cm³)から素直に計算すると約 34µm ですが、規格上の公称値は 1.37mil(約 34.8µm)とされており、実務では 35µm として扱います。

対応表

oz厚みシート抵抗最小線幅の目安用途
0.5 oz17.5 µm約 0.99 mΩ/□3 mil内層の信号層、高密度
1 oz35 µm約 0.49 mΩ/□4 mil最も標準的
2 oz70 µm約 0.25 mΩ/□6 mil電源基板
3 oz105 µm約 0.17 mΩ/□8 mil大電流
4 oz140 µm約 0.12 mΩ/□10 mil大電流(特注扱い)

銅箔を厚くすると細い線が引けなくなります。エッチングは横方向にも進むため、厚いほど断面が台形になり、最小線幅と最小間隔の制約が厳しくなります。「電流を流したいから 3oz」と決める前に、その基板で必要な配線密度が実現できるかを確認してください。

注意点

  • 内層と外層で意味が違う。外層は元の銅箔にめっきが加わるため、仕上がりは指定した oz より厚くなります。「外層 1oz」と指定した場合、実際は 45〜60µm 程度になることが一般的です。内層は指定どおりの厚みです。
  • インピーダンス計算では実際の厚みを使う。外層のめっき込みの厚みでインピーダンスが変わります。基板メーカに確認してください。
  • 厚い銅箔はコストと納期に効く。2oz を超えると対応できるメーカが減り、価格も上がります。まず配線幅を広げることで対応できないかを検討してください。
  • 「1/3 oz」「1/2 oz」もある。高密度基板や微細配線では 12µm 程度の薄い銅箔が使われます。

よくある質問

1oz は正確には何 µm ですか?
1 平方フィート(929cm²)に 1 オンス(28.35g)の銅を広げた厚みです。銅の密度 8.96g/cm³ で素直に計算すると約 34.1µm になりますが、IPC-4562 での公称値は 1.37mil(約 34.8µm)です。実務では 35µm として扱って差し支えなく、この計算機も 0.035mm/oz で計算しています。
外層の実際の厚みはどうなりますか?
指定した銅箔の上にスルーホールめっきが乗るため、厚くなります。「外層 1oz」でも仕上がりは 45〜60µm 程度になるのが一般的です。電流容量には有利ですが、インピーダンス制御や微細配線の設計では実際の厚みを基板メーカに確認してください。
大電流を流すには銅箔を厚くするしかありませんか?
いいえ。まず配線幅を広げるのが基本です。厚くすると最小線幅の制約が厳しくなり、コストも上がります。ほかに、複数層に同じ電源を通してビアで並列にする、表層の一部からレジストを剥がしてはんだを盛る(はんだ盛り)、バスバーを併用する、といった手があります。
高周波では厚い銅箔が有利ですか?
有利になりません。表皮効果によって電流は表面にしか流れないためです。1oz(35µm)は 3.5MHz で表皮深さと一致するので、それより高い周波数では厚くしても意味がありません。表皮効果で確認できます。

参考にした規格・資料

  • IPC-4562 — 基板用銅箔の仕様。厚みと oz の対応。
  • IPC-2152 — 導体の電流容量。銅箔厚と線幅の関係。
  • IPC-6012 — 基板の性能仕様。仕上がり銅厚の規定。

最終更新: 2026-08-29